Beranda / 恋愛 / 強引な後輩は年上彼女を甘やかす / 03_2 しょうがないな 樹side

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03_2 しょうがないな 樹side

Penulis: あさの紅茶
last update Terakhir Diperbarui: 2025-06-11 05:03:12

昨日は姫乃さんの部屋にお邪魔したので、今日は俺の部屋に誘った。

姫乃さんは何の疑いもなくヒョコヒョコ着いてくる。

大丈夫か、男の家だぞ?

警戒も何もあったもんじゃないし、下心やあざとさなんて微塵も感じられない。ダメだ、姫乃さんは天然なのかもしれない。まあ、俺とて襲う気はないけど。

「何かお手伝いを……」

そういう姫乃さんをソファに押し込めた。昨日は作ってもらったから、今日は俺が作ろうと決めていた。それに隣に来られると無駄に緊張するからやめてほしい。大人しく座っていてくれたらいい。

簡単なものしか作れないけど、失敗のないチャーハンと餃子にした。そういえば誰かに手料理を振舞うのは初めてかもしれない。あ、なぎさにはよく作ってやるけど。あれは身内だから別だ。

姫乃さんはソファで人形のように綺麗に座っていた。

出来上がったチャーハンと餃子の皿をテーブルに並べると、とたんに嬉しそうな顔をする。

「すごい、大野くん料理男子だね」

「今時の男は作れて当たり前でしょ?」

「そうなの? しっかりしてると思う」

うんうんと頷きながらチャーハンを食べている。頬っぺた落ちちゃいそうとか言いながら頬を押さえる仕草は、綺麗と表現するのは違う。なんというか、とても可愛らしい、みたいな。

ほらまた、綺麗から可愛いに変わった。

「姫乃さんがぼんやりしすぎ」

「私、ぼんやりしてる?」

きょとんとするので、俺は大きく頷く。

これがぼんやりしてないで、何だって言うんだ。すると姫乃さんは目をキラキラさせながらくしゃりと笑った。

「うわー。初めて言われた。なんか嬉しい」

なぜそこで喜ぶのか、意味不明。

「変なの」

「だって、まわりのみんなは私を完璧とか高嶺の花とか言うの。全然そんなんじゃないのに、どんどん話が大きくなっていく。私がちゃんと否定できたらいいんだけど、なんかタイミング逃しちゃうっていうか、流されるというか」

確かに見た目は完璧で高嶺の花だと思う。俺も見ているだけならそう思っていたかもしれない。だけど姫乃さんを知れば知るほど、いい意味で綻びというのかボロが出るというのか、とにかくこの人はふわっとしていて隙だらけだ。

「そういうところがぼんやりしてるよね」

言えば、またくしゃりと笑った。

どうやら嬉しがっているようだ。
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